神奈川こどもNICU 早産児の育児応援サイト
神奈川こどもNICUに入院となった、体重が小さく(1500g未満)うまれたお子さんの育児を応援するために情報を提供するページです
◎ 先輩たちの声や写真
現在助産師さんとして働いている先輩からのメッセージ

私は28週で産まれた早産児です。
自身の体験から、物心ついた頃より医療の道に進みたいと思っていました。
現在は助産師として病院に勤務しています。

小さく産まれたことで感じるちょっとした生きづらさ、なかったわけではありません。 見た目はなんともありませんが、何度か手術を受け、度重なる検査入院や10年以上にわたる通院もありました。 学校を早退して毎月病院で検査をしたこともあり、何度も採血を必要とする検査は正直嫌になることもありました。 しかし、私が元気に成長していることを誰よりも喜んでくれる医療スタッフに会えること。 辛い検査もありましたが、いつからか担当の先生や看護師さんに会えることを楽しみに通院していたように思います。 今考えても、感謝しかありません。

助産師として早産児のご家族に対して思うこと。
早く産まれたことは誰のせいでもありません。 面会に来てくれること、優しく触れてくれること、1日に何度も母乳を搾って届けてくれること。 赤ちゃんにはきっと伝わっています。少し早くお産まれになったお子さんとの未来が、輝く日々となりますように。

中嶋 もえさんの 作文 : 「 強く生きていこう 」

NICU卒業生である中嶋もえさんのお母様から、小学校4年生のときにもえさんが書いた読書感想文を送っていただきました。
とても温かく、素敵な作文ですのでご紹介させていただきました。
お母様ともえさんは、本をきっかけに産まれた時のことを沢山話したのだそうです。
お母様からは今、同じ様に悩み苦しんでいるお母さんたちにエールを送りたいとの思いが書き添えられていました。

わたしが読んだ本は「二日月」です。
この本は「杏」の妹の芽生の病気のことを中心に、杏と家族のゆれ動く気持ちが書かれています。
芽生はミルクをすぐにはいてしまう原因不明の病気で大きくなれず、障がいを持つかもしれないとお医者さんに言われました。妹が障がい児…、みんなに知られたくない、妹を見られたくない、妹ばかりに気を取られている両親にはらが立つ、芽生なんていなくなればいい、そう思ってしまった主人公の杏のすがたに、自分の心が痛くなりました。
そして、どのような気持ちの変化が杏に表れるのかと読み進めてみました。

この本を選んだきっかけは「二日月」という題名にきょう味を持ったからです。
二日月とは、肉眼で初めて見える月のことで、二日前は光が何も当たらない「つごもり」と言うそうです。「真っ暗で何も見えなくなる時があっても、必ずまた満ちていく。明るい明日があたしの上にもやってくる」杏の気持ちが最後に、そう、二日月のように変化した様子が書かれていました。

この本を読み終わった時、お母さんに本のあらすじと「二日月」の意味を話すと、「杏ちゃんの気持ちがよく分かる」と泣きそうな顔をしながら、わたしが生まれた時の話をしてくれました。

わたしは、930グラムで生まれ、二ヶ月間入院しました。その時、お母さんだけが退院して赤ちゃんのわたしが一緒に退院できなかったことを近所の人に知られたくなかったことや、どこに行っても「わぁ!こんなに小さいのに、もう連れ回して」と言われたことや、ショッピングセンターの授乳室でもわたしがミルクを飲むのがとてもおそくて他の赤ちゃんの飲みっぷりをうらやましく思ったことなどを聞かせてくれました。

「あの時のお母さんは、つごもりだったなぁ」「杏ちゃんと同じ。あなたを他の人に見られたくなかった」「この子は無事に大きくなるんだろうか。障がいを持つんじゃないだろうか」と、なかなか前を見ることができなかった、と悲しい顔でした。今のお母さんからは想像できない話でした。元気で強いお母さんがそんな風に思っていたなんて。

杏のお母さんもそんな場面がありました。公園で遊ぶ子供たちに芽生のことを「キモイ」など言われて傷ついて、次の日の公園にはなかなか入ることができなかったところです。杏のお母さんも、わたしのお母さんも「負けちゃいけない!」と心を強く持ったんだと思います。

わたしのお母さんは、わたしがなやんでいる時に「♪ケセラセラ〜なるようになる〜♪」とよく歌います。この本を読んで、その意味が一段とよくわかりました。何かあっても、必ず明るい明日がくる!わたしもそう信じて、落ちこむようなことがこの先起こったとしても、強く生きて行こう!と心に決めました。

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