成長や発達について
* 体重/身長の増えかた*
赤ちゃんは生後、おしっこがでたり、むくみがとれて、体重が一度少し減ります。
早くうまれた赤ちゃんではその後、様々な理由で体重の増えがゆっくりになりやすいです。
胎内の環境とちがい、呼吸や体温の維持にエネルギーを使うことや、音や痛みなどストレスになる刺激も多いことなどからです。
当院ではこうしたストレスをなるべく減らすような治療やケアを心がけています。
また、お父さん・お母さんが赤ちゃんのそばで声をかけながら一緒に過ごしたり、お世話を一緒にする機会が多いと、体重の増えがよくなりやすいといわれています。
体重や身長は3〜5歳にかけて追いついていきますが、生まれた時の体重が小さいほど追いつく時期がゆっくりで、大きくなってからも小柄になりやすいといわれています。
過去に行われた全国調査では、在胎週数の平均的な体格でうまれた1500g未満のお子さんでは、3歳までに9割が体重/身長が追いついたとの結果でした。
在胎週数の平均よりも小さな体格でうまれたお子さん(SGA:small for gestational age)では3歳までに追いつく割合が7-8割でした。
SGAのお子さんでは、成長の経過によって3歳以降で成長ホルモンの補充を検討することがあります。
* 発達のこと *
早く小さく産まれた赤ちゃんは、胎内とは異なる環境で過ごす時間が多くなります。
機械による呼吸、痛みを伴う処置、外界の音や光、お母さんと離れて過ごすことなどは赤ちゃんにとって思いがけない状況です。
こうした経験は早く小さく産まれた未熟さに加えて、赤ちゃんの発達に影響を与える可能性があります。
しかし赤ちゃんは未熟であるからこそ、こうしてうけた影響から回復する力があります。
治療によって全身の状態を安定させること、赤ちゃんのまわりの環境をととのえること、痛みの緩和、お父さん・お母さんに側にいてもらうことや赤ちゃんのケアに関わってもらうことなどにより、こうした影響をなるべく軽減し、赤ちゃんの回復する力を伸ばしたいと考えています。
退院後も定期的に外来で成長や発達の様子をみせていただき、必要なサポートについてお伝えしたり、ご家族の心配ごとについて一緒に考えて行きます。
(詳しくは「
退院後の外来(フォローアップ外来)では何をするの?」をご参照ください。)