知っておきたいリスクのこと
* 乳幼児突然死症候群(SIDS)のこと *
SIDSは、原則1歳未満のお子さんが、それまで元気であったのに突然に死亡するもので、前もって予測できず、また調査によっても原因が同定できない死をもたらす症候群のことです。
平成27年の人口動態統計(厚労省)によると、1歳未満の死亡原因の第3位がSIDSであり、1年間に93人が亡くなっています。
とくに生後6ヶ月未満に多いことが報告されています。
また低出生体重児、NICUに入院歴のあるお子さんでは、SIDSのリスクが高いと言われています。
少しでもリスクを減らす為にできることを知っておきましょう。
SIDSで亡くなるリスクを減らすためにご両親ができること
- 赤ちゃんをあおむけで寝かせること
うつぶせ寝はあおむけ寝よりもSIDSの発症リスクが高いといわれています。NICU入院中は、呼吸のモニターを装着した上で、呼吸の安定のためにうつぶせの姿勢で寝ることがありますが、退院が近くなると仰向けで過ごすようにしています。
(注:ただし赤ちゃんがはっきり目覚めていて、見守る人がそばにいるときには、運動発達のためにうつぶせ姿勢の練習をすることは大切です。)
- 赤ちゃんを寝かせる環境に注意すること
やわらかいもの(ベッドガード、枕、ぬいぐるみなど)は窒息につながる恐れがあるため、赤ちゃんの周りに置かないようにします。
また赤ちゃんの寝台(あおむけの姿勢で背中側にあたる部分)は低反発やふわふわしたやわらかい素材は避けます。
お昼寝など短い時間であってもソファなどではなく寝具で寝かせるようにします。
少なくとも生後半年まで(できれば生後1年まで)赤ちゃんは親の部屋においたベビーベッド(または赤ちゃん専用の布団)で寝かせます。
- 赤ちゃんを家のなかに喫煙者がいないようにすること
赤ちゃんのいる家庭内に喫煙者がいることは、SIDSのリスクを高めると報告されています。
赤ちゃんがおなかの中に居る時期にタバコにさらされることもSIDSのリスクを高めるとされており、妊娠中からの禁煙が大切です。
- 赤ちゃんをあたためすぎないこと
部屋の温度をあげすぎたり、厚着をさせたり、布団のかけすぎは避けましょう。
* 家庭内での事故を防ぎましょう *
赤ちゃんは日々成長します。昨日までできなかったことが、急にできるようになり、大人が予想できないような行動から思わぬ事故につながることがあります。
平成27年の人口動態統計によると、1歳から4歳の死亡原因の第2位は「不慮の事故」であり、1年間に108人が亡くなっています。不慮の事故死のうち、0歳では7割、1-4歳では4割が家庭内で発生しています。窒息のほか転倒・転落、溺水、煙や火に関わる事故が多く報告されています。
「トイレットペーパーの芯」(約39mm)をとおるものは飲み込んだり窒息の危険があります。
また噛むことや飲み込みがまだ上手でない乳幼児では、食べ物による窒息事故も多く報告されています。
無理なく食べられる大きさや量にすること、食事中に眠くなっていないかなどにも気をつけましょう。
以下のサイトも参考に、家庭内でおこる事故を防ぐために気をつけることや起こってしまったときの対処法について、知っておきましょう。
参考になるサイト
こどもの救急「こどもの事故と対策」日本小児科学会作成