発達検査のこと
* 臨床心理室からのご案内 *
早く小さくお生まれになったお子さまの発達にはさまざまなバリエーションがあると言われており、丁寧に発達の経過を見守る必要があります。
臨床心理室では主に修正1歳半、3歳、6歳、9歳に発達検査(
※ 発達検査について詳しくはこちらへ )・知能検査を実施させて頂きます。必要に応じて、それ以外の年齢で検査を行うこともあります。
年齢により課題の内容は様々です。低年齢のお子さまでは、ご家族も同席のうえ一緒に遊びながらご様子を見させて頂きます。
就学前からそれ以降の年齢のお子さまでは担当の心理士と2人で様々な質問や作業に取り組んで頂きます。
検査でのご様子やご家庭等でのご様子を教えて頂きながら、その年齢でのお子さまの発達状況を共有し、必要な関わり方や支援について、そしてご家族が普段感じておられる“気になること”“困りごと”について一緒に考えていきます。
(写真:臨床心理室待ち合い室と検査時の様子)
* 発達検査について *
代表的な2つの検査についてご紹介します。
<新版K式(しんばんけーしき)発達検査>
- 検査ができるのは:0歳~成人まで
- 新生児科フォローアップ外来での実施時期:修正1歳半、3歳
(年長さんくらいまでは、こちらの検査を実施することがあります。)
- 検査時間:30分前後
- 目的:心と体の発達を詳しく見ることによって、今お子さんに必要な支援や関わり方について知ることができます。
- 方法:
- 心理士と一緒に実際に身体を動かしたり、検査道具を使って遊んだり、お話したりしながら 今お子さんができていることを見ていきます。
- 3歳くらいまでは、お子さんが検査に取り組む様子を、保護者も同席して見守っていただきます。
- 検査後に結果をお伝えします。
- 検査で確認できること:
姿勢・運動 | 寝返る、座る、立つ、歩くなどの運動面の力 |
認知・適応 | 物の形をとらえたり、おもちゃを使って遊ぶ力 |
言語・社会 | ことばの力、コミュニケーションをとる力 |
<WISC-W(ウィスク フォー)知能検査>
- 検査ができるのは:5歳0ヶ月~16歳11ヶ月
- 新生児科フォローアップ外来での実施時期:6歳(就学前)、9歳(小学校3年生)
- 検査時間:1時間〜1時間半
- 目的:
- お子さんの得意・不得意なこと、支援のポイントなどを知ることができます。
- 全体的な知的能力が、同年代のこどもの平均と比べて、どのくらいなのかがわかります。
- 結果をもとに、ご家庭や学校での関わり方や、学習の方法などに役立てることができます。
- 方法:5-6歳では、少し難しいと感じることがあるかもしれませんが、年齢に合わせた様々な課題にとりくみます。お子さんと心理士の二人だけで行います。
- 検査で確認できること:
全検査IQ | 全体的な知的能力 |
言語理解 | 言葉で理解したり、説明したりする力 |
知覚推理 | 目でみて絵や形をとらえたり、それをもとに考えたりする力 |
ワーキングメモリー | 耳で聞いて記憶したり、その情報を頭の中で操作したりする力 |
処理速度 | 単純な作業を素早く効率的に行う力 |
- 結果をすぐにお伝えすることが難しい検査です。後日、診察時に医師より結果をお伝えします。
検査結果をご家庭や学校で参考にしたいなどのご希望がございましたら、文書の発行が可能です(有料)。医師や検査担当の心理士にお伝えください。
* 発育・発達を見守るときに 「修正月齢」とは *
早く小さく生まれたお子さまでは、身長や体重の増えかた、くびのすわりやお座りなどの発達の様子について3歳未満では「修正月齢」を基準にして見守ります。
「修正月齢」とは、お誕生日ではなく、出産予定日を基準にしたものです。
例えば出産予定日より3か月早く産まれた場合、生後3か月で修正月齢0ヶ月、生後4ヶ月で修正月齢1ヶ月となります。
修正月齢を考慮すると、お子さまの成長や頑張りが、より実感できるかもしれません。
修正月齢を考慮した上でも、身長や体重の増えかたがゆっくりであったり、発達の様子に違いがでることもあります。
たくさんの抱っこ、身体を触れ合わせること、声かけ、読み聞かせなどは赤ちゃんの発育・発達を促します。
外来では、発達を促すためのリハビリをおすすめすることがあります。
(
退院後のリハビリテーションのことへ)
また地域の療育センターへの相談をおすすめする場合もあります。
発達について気になることがあるときは、こちらのサイトも参考にしてください。
神奈川県内の地域ごとの児童発達支援施設についての情報 神奈川県小児保健協会のサイトへ