思春期〜成人のころ
日本で未熟児医療がはじまったのは1940年代のころからです。
近年、早産・低出生体重のお子さんの長期的な予後(病気や症状のその後の経過のこと)について、さまざまな研究結果が報告されるようになってきました。
ご両親のもとを離れてからのためにも、生まれたときのこと、頑張ってきたこと、これから気をつけていくことなど、理解ができるようになるとよいでしょう。
*腎機能のこと*
近年、早く小さく生まれたお子さんで後に「慢性腎臓病」を発症するリスクが健常児よりも高いことが報告されています。
腎臓病には様々な種類があり、慢性腎臓病は慢性に経過するすべての腎臓病のことを指します。
初期には自覚症状がなく、進行するとだるさやむくみなどの症状がでてきます。
早期発見のためには血圧測定や尿検査を定期的にうけることが大切です。
学校検尿や職場の健診で異常を指摘されたときには、自覚症状がなくても放置せず、医療機関を受診するようにしましょう。
*生活習慣病のこと*
高血圧、高脂血症、2型糖尿病、肥満などの「生活習慣病」は、食生活や運動、喫煙、ストレス、飲酒などの生活習慣が発症や進行に関与すると考えられている病気の総称です。
早く小さく産まれたことや、胎児期から生後早期におかれた特殊な栄養状態・環境が、成人期や老年期に生活習慣病の発症リスクを高めることに関連するとの報告が近年注目されています。
思春期以降は、食事をはじめとする生活習慣がさまざまな要因で変化していく時期です。不規則な食事や生活リズムにならないようなるべく気をつけましょう。また成人になっても飲酒はほどほどに、喫煙や受動喫煙は避けましょう。