神奈川こどもNICU 早産児の育児応援サイト
神奈川こどもNICUに入院となった、体重が小さく(1500g未満)うまれたお子さんの育児を応援するために情報を提供するページです

大きくなってからのこと

3歳から6歳頃のこと 言葉が増え、行動範囲が広がって、ほかの子どもや家族以外の大人とも少しずつコミュニケーションをとれるようになってきます。
また、身の回りのこと(着替え、トイレ、食事)がだんだん自分でできるようになります。
外来では、体格の追いつきを確認し、言葉・お友達と仲良くできるか、幼稚園や保育園など集団にはいってからの様子をおたずねします。
状況によって、療育センターへの相談をおすすめすることもあります。

*体格のこと*
外来では体重、身長、頭囲がバランスよく発育していることを見守ります。
早く生まれたお子さんでは、3歳までは修正月齢を基準としますが、3歳頃からは修正ではなく、歴月齢を基準とします。
低身長が持続している場合、原因によっては一定の基準を満たした場合に成長を促進する治療を行うことができます。そのため、内分泌科への相談をおすすめすることがあります。

*幼稚園や保育園に行くときに*
同じ年頃の子どもたちと一緒に過ごすなかで、言葉や、できることが増えていくお子さんが多くいらっしゃいます。
初めてのことや初めての場所に戸惑いやすいお子さんもいますので、前もって親子教室や保健センター、地域の行事などで、ご自宅以外の場所やほかのお子さんとの交流に少しずつ慣れるよう、準備をしておくとよいでしょう。
決められた時間にごはんを食べる練習、おでかけの支度や片付けを一緒にすることなども、ご家庭でできる準備のひとつです。

*小学校入学にむけて*
退院後の外来では、お子さんの発達の経過や地域の学校の状況などについて相談しながら、就学にむけての相談も行っています。
当院で2002年から2007年に出生された在胎23〜25週の赤ちゃんでは、小学校入学の時点で通常の学級に入学したお子さんがおよそ6割でした。
特別支援学校に入学したお子さんは2%でした。
その他のお子さんは支援学級(固定学級)や、通常の学級に所属しながら通級を利用していました。

小学校高学年になり勉強が難しくなると、なかには個別の支援があった方がより学びやすい・楽しいと感じ、所属する学級の変更を検討するお子さんもいます。
放課後に個別塾などで学習を補うお子さんもいます。
適切な学習環境を選択し、その後の様子を見守ることは、お子さんが楽しく学校に通い、さまざまなことを身につけるためにとても大切です。

こちらに、先輩からの体験談がありますので、参考にしてください。進学・就学体験談のページへ
作業療法士さんに聞いてみよう! 姿勢編 学校生活では手や指先を使って行う活動がたくさんあります。 指先を効率よく使う為には良い姿勢を保って座ることが大切です。 当院でNICU卒業生を支援している作業療法士さんにアドバイスをいただきました。

早く小さく生まれたこどもは座る姿勢が安定しにくいことがあります。
理由:筋力やバランス感覚の弱さなど

「ちゃんと座ろうね」と言われても、どうしたら「ちゃんと」なのかわからず、困ってしまいます。 注意する方も疲れるし、こどももがっかりしてしまいます。
「良い姿勢」を経験して、見やすい、書きやすい、ことを実感してもらうことが大事です。

良い姿勢で座る為のコツ、良い姿勢を保持する体操や遊び
適切な椅子や机の高さ・机との距離を確認しましょう
椅子に座ったときに・・・
  • 太ももが床とほぼ平行か、やや膝が下がる位置にある
  • 両足は床についている
  • 背中をピンとした姿勢のときに、机と体の間にこぶし一つ分の距離があり、腕は肘が90度かそれより少し曲がっている
良い姿勢を保つポイント
  1. 腰(骨盤)が前傾していること 「お尻をキュ!
  2. サポート方法 : 胸の真ん中と、背中の真ん中に手をあてて、上に持ち上げるように補助し、骨盤を起こします。鎖骨を前(斜め上)に出すイメージです。 椅子の前側に浅く腰掛けると骨盤の前傾が実感しやすいですが、浅い座り方は長時間続けるのは難しいので、練習として試してみてください。
  3. 足の裏がしっかり床についていること 「足はペタ!
  4. サポート方法 : 膝が90度に曲がり、両方の足裏が床についていることを確認します。
  5. 体が傾かないようにバランスをとって姿勢を保持する
  6. 両腕を机にのせると姿勢の崩れを防ぎやすくなります。また身体と机との距離、高さを確認することが大切です。
    机が高すぎると後へ寄りかかりやすく、低すぎると背中が丸まりやすくなります。
    姿勢が崩れやすい子では、椅子の座面に滑りにくくするシートを置くことが有効なこともあります。
    ずっと良い姿勢でいるのは疲れてしまうので、時々背もたれで休憩し、書く時や作業するときにリセットしましょう。
遊びに取り入れてみよう
猫背を改善! 肩回し体操 

指先を肩に乗せて前へ、後ろへ肩を回します。
バランス感覚をup! あぐらだるま 
股関節をしっかり広げてあぐらで座ります。
前後左右に体を揺らしながら時計回りに回ります。
大人やきょうだいと一緒に、前や後ろ、横から軽く押して、
倒れないように頑張るあぐら相撲も楽しいですよ。
背筋を伸ばそう!背中タオルはさみ 
タオルを椅子と背中の間にはさんで座り、大人がタオルを上に引きます。
タオルが抜けないように頑張って!
割り座に注意
足がWになる割り座(おねえさん座り)は骨盤をゆがめ、猫背になりやすくなります。なるべく避けるようにしましょう。
参考資料:
  • 「発達が気になる子の「できる」を増やすからだ遊び」(笹田哲著、中央法規出版)
    :学校生活でどんな動作が必要になるか、動作をスムーズに行うことにつながる遊びがイラストや写真で紹介されています。保育園・幼稚園で誰かに手伝ってもらえている間に、できた!を増やしていけるといいですね。
  • 「気になる子どものできた!が増える 書字指導アラカルト」(笹田哲著、気になる子どもの学習と生活研究会講演資料)
    :書字の難しさの原因別に対策が書かれています。学校の先生向けの本なのですが、例えば塾や家庭教師の先生の理解を得る必要がある時にも参考になるかもしれません。

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